「落ち着ける居場所」の条件 いまはぴが大切にしていること
いまはぴは、にぎやかさや刺激よりも、落ち着いて過ごせることを最優先にして運営しています。
それは、「子どもが安心できたとき」に初めて、生活も学びも、人との関わりも、少しずつ前に進むと考えているからです。
以下に、いまはぴが考える「落ち着ける居場所」の条件を、できるだけ具体的に書いてみました。
見学を検討されているご家庭にも、関係機関のみなさまにも、判断材料になればと思います。

1. 「居場所」は、気持ちではなく“条件”でつくる
落ち着けるかどうかは、「がんばり」や「気合い」では決まりません。
多くの場合、「環境」と、「大人の関わり」で決まると考えます。
いまはぴが整えようとしているのは、次の二つです。
- 環境(空間・音・光・距離)
- 関わり(言葉・速度・期待の置き方)
ここが整うと、子どもは「自分で落ち着ける」方向へ向かいやすくなります。
逆に、ここが崩れると、どれだけ良いプログラムがあっても土台が揺らぎます。
2. いまはぴが「しないこと」/その代わりに「していること」
いまはぴは、集団活動やカリキュラムが苦手だったり、社会不安、過敏、過剰適応、不登校などで、まず“安心できる土台”が必要なお子さんの第一歩を支える場でありたいと思っています。
そのため、安心が崩れやすい関わりは避けます。
ただし、これは「正しさ」や「優劣」の問題ではありません。
支援には段階があり、集団活動やカリキュラムが力になる子もいます。
いまはぴは、その前段階として、安心を整える入口に重点を置く事業所です。
以下に、いまはぴが「しないこと」と、逆に「代わりにしていること」をセットでまとめてみました。
① 大声での注意・叱責をしない
しないこと:大声で止める/叱責して従わせる
代わりにしていること:声のトーンを下げ、距離と環境を整えて落ち着ける(場所移動、刺激を減らす、短い言葉で共有)
② 威圧する言い方・詰める問いかけをしない
しないこと:「なんで?」「どうしてできないの?」で追い詰める
代わりにしていること:事実を短く確認し、本人の言葉を待つ(決めつけない/言葉が出るのを待つ)
③ 逃げ場を塞がない
しないこと:その場で結論を出す/「ここにいなさい」で固定する
代わりにしていること:クールダウンや退避を“正当な選択肢”として用意し、回復してから次の一手を提案する
④ 「できて当然」を前提にした要求をしない
しないこと:能力や努力の問題にして責める
代わりにしていること:障害物を探し、ハードルを下げる(分量・手順・場所・時間を調整し、“できた形”を一緒に作る)
⑤ 早口で畳みかけない
しないこと:質問や説明を連打する/急かす
代わりにしていること:一文を短く、間を取る。選択肢を1つずつ提示し、“待てる大人”になる
⑥ 一択の強制や罰・脅しで従わせない
しないこと:「これしかない」「やらないなら○○」
代わりにしていること:2択〜3択の“成立する選択肢”を用意し、自己決定を守る(断る権利も残す/決めた後を支える)

3. 「落ち着ける環境」の具体例
環境づくりは、派手な設備よりも、細かい設計の積み重ねです。
いまはぴでは、たとえば次のような観点で調整します。
音
- ・ざわつきが苦手な子が、無理をしなくていいようにする
- ・必要に応じて、静かな場所・距離の取り方を用意する
- ・“盛り上げる”より、“落ち着きを守る”を優先する
光・視界
- ・視界に情報が多すぎないように整える
- ・眩しさや落ち着かなさが出やすい子には、席や位置を調整する
距離
- ・近すぎない、遠すぎない
- ・子どもが「自分から近づける」余白を残す
- ・ずっと同じ場所にいる必要がない設計にする
ルール
- ・ルールを増やしすぎない
- ・ただし曖昧にせず、運用は丁寧にする
- ・“守らせる”より、“守れるように整える”を優先する
4. 見学のときに見てほしいポイント
いまはぴを見学する際には、活動内容よりも「土台」を見ていただくのが良いと思っています。
- ・この場所に入ったとき、空気は落ち着いているか
- ・子どもが困ったときに、逃げ場があるか
- ・注意の仕方が、叱責になっていないか
- ・大人が“急がせていない”か
- ・記録や共有の仕組みがあり、支援が属人化していないか
お子さんに「合う/合わない」はどうしたってあると思います。
だからこそ、見学で “ 雰囲気が合うか ” を大事にしてほしいと思っています。
5. 最後に:いまはぴが目指す「入口」としての支援
私たちは、子どもを“動かす”より、子どもが“動ける状態”を作ります。
安心が整うと、本人の選択肢が増えます。選択肢が増えると、社会参加は自然に近づきます。
いまはぴは「学校に行かせる」ことを目的にした場ではありません。
けれど結果として、学校にほとんど行けていなかったお子さんが、いまはぴで安心の土台を作り、生活リズムや対人の練習を重ねる中で、中学卒業後の高校生活へつながっていくケースが実際にあります。もちろん全てのケースが同じ道筋になるわけではありませんが、土台づくりが次の一歩につながった例があります。
大きく変えるのではなく、
「通える場所が一つある」
「安心できる大人がいる」
「しんどくなったら戻れる」
この小さな土台ができることで、進路を考える時期に、本人の選択肢が少し増える。
私たちは、そのプロセスを大切にしています。
見学・ご相談について
見学やご相談は、随時受け付けています。
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電 話 : 055-225-3990


